持続可能性の取り組みへの要請は日増しに高まっているが、受動的な局所対応に留まっている企業が多い。資材、拠点、製造工程、輸送方法を切り替えたり、サプライヤーに地球に優しいやり方を迫ったりするものの、予期せぬ形で諸コストがかさみ、持続可能性とはほど遠いサプライチェーンが形成される結果となり、善意が裏目に出てしまうことも多々ある。それを避けるには、直接の取引相手に限らず、サプライチェーンの隅々まで見渡し、ビジネスと環境・社会の両面から改善ポイントを探っていくことである。そのうえで、生産工程を一新させる、パートナー企業と一緒に新しいサービス・モデルをつくる、合弁会社をつくるといった構造改革を進める。また、単独で試みるのではなく、関係する部門や取引先など幅広い関係者を巻き込むことも重要である。本稿では、包括的なアプローチでこの課題に取り組んでいる香港のシャツ・メーカーのエスケル、韓国のポスコなどの事例を紹介する。

【書誌情報】

※印刷は全てモノクロ印刷となります。

ページ数：13ページ

サイズ：A4

商品番号：DHBL-HB201304-004

登録日：2013/3/25

発行号：2013年4月

著者名：ハウ・L・リー　スタンフォード大学経営大学院 教授