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聖杯騎士伝説の研究



著者:川西 孝男

価格(税込)¥4,950
サイズA4
ページ数298 ページ
発行年月2016年 5月
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商品の説明

本博士論文の目的は、ヨーロッパの聖杯騎士伝説の系譜を研究し、その歴史的意義そして聖杯騎士伝説の精神を明らかにすることで、ヨーロッパ史における平和論の新たな系譜を示し、今日の国際平和への貢献を目指すことにある。聖杯騎士伝説は、キリスト教に由来する聖杯伝説がヨーロッパ騎士道精神と結びつき、12世紀にフランスそして神聖ローマ帝国(ドイツ)で著されて誕生する。この聖杯騎士伝説が当時の十字軍といった国際宗教戦争と密接に関連しており、これらの戦争を終息させる意図を持った、キリスト千年紀における新たな理念を記したものであったことを例証する。
        また、この聖杯騎士伝説に当時のヨーロッパ貴族で、ドイツ・バイロイトBayreuthを創設したアンデクス・メラン家Haus Andechs Meranienが関わり、同家の断絶後もその精神は継承され、19世紀にバイロイトの地でヴァーグナーRichard Wagnerによって聖杯騎士伝説のオペラ『パルジファルParsifal』として復活し、さらに2度にわたる世界大戦の中で聖杯騎士伝説の精神がヨーロッパそして世界の平和に貢献したことを解明することによって、中世ヨーロッパから今日の欧州統合に至るヨーロッパ平和論の系譜を例証し、21世紀の国際平和論への新たな視点を提唱する。
        本論は、バイロイトの『パルジファル』に聖杯騎士伝説の精神が、その伝説の誕生期から今日に至るまで受け継がれているという仮説に立脚しており、その主な論点は次の3つである。第1は、聖杯騎士伝説が十字軍遠征に象徴されるヨーロッパ内外の宗教的対立と不寛容を収め、新たな理念によって国際平和を構築しようという願いを追い風に成立した。第2は、この聖杯騎士伝説の精神がバイロイトに連綿と継承され、この伝説の精神を現代に復活させるためにヴァーグナーがバイロイトへ迎え入れられ、『パルジファル』を完成させた。そして第3に、聖杯騎士伝説の継承者クーデンホーフ=カレルギーCoudenhove-Kalergiの汎ヨーロッパ運動が世界大戦期の国際社会の結束に大きく貢献し、ナチス・ドイツが倒されてヨーロッパが平和的統合に導かれたことである。
        本博士論文は、このような聖杯騎士伝説が今日のEU(ヨーロッパ連合)のみならず、国際社会の平和そして共存に思想的影響を及ぼしているという視点に立ち、これらを学術的アプローチによって例証したものである。

<博士論文目次>
序 論
第1章「ヴァーグナーと『パルジファル』」
第2章「聖杯騎士伝説―その系譜と十字軍の時代―」
第3章「アンデクス・メラン家と聖杯騎士伝説」
第4章「バイロイト―辺境伯宮廷文化と聖杯騎士伝説の継承―」
第5章「ジャン・パウル―バイロイトのロマン主義そしてヴァーグナーへ―」
第6章「バイロイト音楽祭―19世紀における聖杯騎士伝説の復活―」
第7章「EUと聖杯騎士伝説―カレルギーの欧州平和統合運動―」
第8章「聖杯騎士伝説と現代―戦後バイロイトと『パルジファル』―」
結 語



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