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韓国の大都市に住む低所得高齢者の生活困難と生活不安―不安定就労と居住の不安定性の視点から―



著者:朴 仁淑

価格(税込)¥4,950
サイズA4
ページ数236 ページ
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商品の説明

近年、韓国の社会問題として取り上げられる高齢者の貧困は、歴史の浅い低水準の老後所得保障と、家族扶養機能の弱体化がその原因といわれている。だがこれらに加えて、根底には高齢期以前の不安定就労問題があるということが本論文を通じて明らかとなった 。韓国における低所得高齢者の多くは、植民地期の状況と貧しい家庭環境により就学の機会を失い、生計を立てるため10代前半頃から働かざるを得なかった。彼等は、非識字と低学歴により、住み込み家政婦、行商や露天商、日雇労働者といった不安定な労働状況におかれた。また、社会保障諸制度の整備が遅れる中で、低賃金の状況が続いたため、生計の目途が立たないまま高齢期に入った。経済政策最優先に伴う韓国の社会経済変動は、低所得者の不安定な労働生活を継続させ、居住の不安定性はますます高まってきた。
本研究の目的は、第1に、韓国の急激な社会経済的変化の中で低所得高齢者が遭遇する生活困難と生活不安を明らかにすることである。第2に、現低所得高齢者の生活歴と生活実態の背景にある、不安定就労と居住不安定性の実状および両要素の関連性を明らかにすることである。第3に、不安定就労と居住の不安定性の問題が、低所得高齢者の貧困創出過程に与えた影響、そしてその結果としての現在の生活との関連性を検証することである。
研究の結果、まず、低所得高齢者はその生涯を通じて不安定就労と居住の不安定性を有していることが明らかになった。次に、社会経済変動が低所得高齢者の生活困難に影響を及ぼしていることが示された。さらに、貧困による家族解体と家族断絶、貧困の連鎖が見られた。生活困難の実態として、公的扶助受給高齢者には、給付額をはるかに上回る住居費や光熱費の支出による厳しい生活が強いられている現状がある。一方、最低生計費基準以下の生活を送っているにもかかわらず、公的扶助を受けられない低所得高齢者には、高齢者就労支援事業による少ない報酬、または古紙収集によるわずかな収入に頼る生活困難状態が続いている。また、いつ公的扶助の受給が打ち切られるかわからない状況や、近年加速化している借家慣行の変貌は、低所得高齢者の生活不安を招いている。


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